牛の遠吠え

私がいろんなことをぼやいているブログです。

猫とアルプスと絵本 Withダンゴムシ

小学生の時に学校の行事で保育士さん体験会があった。強制参加だった。

「今日はお兄さんお姉さん達がい〜っぱい!皆と遊んでくれるって!皆!良かったね!」
体操のお姉さんに似ている保育士さんがすごい声張って言ってた。保育士さんすごいノリノリだった、私はソワソワしてた、園児はテンションの高い子と、怖がっている子で分かれていた。その中に猫みたいに「シャーーーーー!!!」って威嚇してる子がいた。猫飼ってるのかな。

好奇心で威嚇してた子に話しかけてみた。
「一緒に遊ばない?」「シャーー!!!」
「つみき好き?」「シャーー!!!」
「お名前は?」「シャーー!!!」
「ワン」「シャーー!!!」
話が出来ない。保育士さんは猫の相手もするのか、大変だな。そう思っていたとき。

「ねぇねぇ」

振り向くと可愛らしい女の子がいた。少女漫画みたいに顔の周りに花でも咲かせてそうな女の子だった。この時は。
「どうしたの?」「遊んで」
「いいよ何する?」「アルプス一万尺!」
アルプス一万尺、できない。
「ごめんね、アルプス一万尺できないんだ、無知だから」ごめん。幼女。

「え!?そんなのも出来ないの!?もういい!!」
そう言って幼女は舌打ちをし、その場を去っていった。

許してもらえなかった。想像の500倍怒られた。最近の女の子怖い。ぴえん。

ため息をつきながらカ○デ組を右往左往と歩いていると、一人なにかを読んでいる女の子がいた。ナンパ感覚で話しかけてみた。

「ねぇねぇ、何読んでるの?」「見たらわかるでしょ」

確かに!

「私も一緒に読んでいい?」「いいよ」
優しい。
さてさて、何を読んでいるのかな?

東芝室外機取扱説明書

なんでそんなものがあるんだ。

「飽きたー。外で遊ぶ!」
でしょうね。

幼女はささっと行ってしまった。私も行くか。

外に出た。すごい賑わってた。園児と遊んで疲れ切った小柄な女子。園児と常にハイテンションの金切り声を上げて遊んでいるギャルっぽい女子。園児には目もくれずに空を凝視している男子。闇深めなイオンのフードコートみたいだった。

ダンゴムシを見ている男児を見つけた。話しかけた。
ダンゴムシ好きなの?」「……」
「そうでもないの?」「……」
「私はカブトムシが好きです。」「……」
「あの?」「あ、いたの?」
ごめんね、私勝手に喋りだすアレクサみたいになってたね。
「私も虫見てもいい?」「一人で見たいからダメ。」
ぴえん。


そんな感じで見せ場もオチもないまま、私の保育士体験会は終わった。

楽しかった。また行きたい。